トレーニングには、ベンチプレス、バーベルスクワット、デッドリフト、ヒップスラストなど、さまざまな種目があります。理想の身体づくりに向け、個々の目標に合わせた種目選びが重要です。しかし、フォームが崩れると、狙った筋肉に十分な刺激が伝わらず、ケガのリスクも高まります。
そのため、ただ動くだけでなく、「効かせる感覚」を持つことが非常に重要です。この感覚は、目的の筋肉にしっかりと負荷を与え、効率的な筋肥大や筋力向上を促します。この記事では、筋肉の基本知識とともに、「効かせる感覚」がどのようなものか、具体的な例を交えて解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
筋肉の基本知識
筋肉は、私たちの身体を動かすエンジンです。筋肉の働きは、「収縮」と「弛緩」という単純な動きを繰り返すことで成り立っています。
- 収縮
筋肉が力を発揮する状態で、筋肉の長さが短くなり、筋繊維が密集して硬さが感じられます。これは、ターゲットの筋肉がしっかりと働いている証拠です。 - 弛緩
筋肉が休んで力が抜けた状態です。弛緩すると、重力に逆らえず、筋肉がたるんだ状態になります。
また、筋肉は関節を跨いで骨と骨に付着し、収縮によって骨を引っ張り、身体を動かします。必ず収縮する筋肉の反対側にも筋肉が存在し、これにより身体は安定して動かすことができます。
たとえば、筋肉の構造は、複数のロープが均等にテンションを保ってテントを支えている様子に似ています。各ロープ(筋肉)が連動して働くことで、全体のバランスと強度が確保されているのです。
効かせる感覚とは
まず、肘を曲げてみましょう。肘を曲げることで、二の腕にある上腕二頭筋という筋肉が収縮し、膨らんで硬くなるのを感じるはずです。これが、筋肉が実際に働いている証拠です。
次に、その状態で無理に反対の手で肘を伸ばしてみます。曲げた腕はそのままの状態を維持しながら、筋肉に負荷がかかると、硬くなった筋肉に疲労感が生じるのを実感できるでしょう。これが「効かせる感覚」です。つまり、効かせる感覚とは狙った筋肉の収縮とその結果として感じる硬さと疲労感を感じることです。この感覚が、効果的なトレーニングを実現している証といえます。
効かせる感覚を強化するためのテクニック
効かせる感覚を明確にするには、各種目ごとにターゲットとなる筋肉の特性を理解することが重要です。以下に各種目のポイントをまとめました。
- ベンチプレス(主に胸筋、上腕三頭筋)
バーベルを持ち上げる際、しっかりと握り、手の位置を固定してバーベルをはさむような意識を持つと、胸の筋肉に効果的な刺激が伝わりやすくなります。 - スクワット(主に大腿四頭筋、殿筋)
しゃがむ際は、お腹に力を込めて体幹を安定させることで、下肢全体にしっかりと負荷がかかります。体幹の安定が正しいフォーム維持に寄与します。 - デッドリフト(主に背筋、殿筋、ももの裏)
バーベルを持つ際、手を外側に捻る意識を持ちつつ、手の位置を固定しはさむイメージを持つことで、広背筋(脇の下)付近に効かせる感覚が生まれます。 - ヒップスラスト(主に殿筋、ももの裏)
お尻を下ろすときにお腹に力を入れ、上げる際にはお尻をしっかりと締めることで、体幹の安定と股関節の正しい動作が促され、効かせる感覚が得られます。
まとめ
トレーニングは、ただ繰り返すだけではなく、ターゲットとなる筋肉に対して正しい「効かせる感覚」を持つことが重要です。研究では、意識的にターゲット筋にフォーカスすることで筋肉の活動量が増加し、これが筋肥大や筋力向上につながる可能性が示唆されています。目的を明確にした意識的なトレーニングこそ、より効率的な成果を生むのです。
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