「体幹トレーニングを始めたけど、ドローインとブレーシングって何が違うの?」
「お腹をへこませるのと、腹圧をかけるのってどう使い分けたらいいの?」
そんな疑問を感じている方へ。この記事では、体幹トレーニングの基本であるドローインとブレーシングの違い、そしてそれぞれのやり方や段階的な習得方法を、初心者にも分かりやすく解説します。さらに、上級者向けの**応用「融合型」**についても紹介します!
◆ ドローインとブレーシングの違いとは?
比較項目 | ドローイン | ブレーシング |
意識する動き | お腹をへこませる | お腹を膨らませて固める |
主に使う筋肉 | 腹横筋(インナーユニット) | 腹横筋+腹斜筋・腹直筋 |
呼吸 | 止めない(腹式呼吸) | 基本止める or 浅く制御 |
目的 | 姿勢改善・コアの意識 | 高出力動作時の体幹安定 |
日常・運動の使い方 | 姿勢制御・軽い動作 | 筋トレ・スポーツ動作 |
お腹の状態 | 凹み・締まり感 | パンと張って安定感あり |
◆ ドローインとは?~お腹をへこませて締める感覚~
ドローインとは、お腹を内側に引き込むようにへこませることで、体幹の深層部にある「腹横筋」を活性化させるエクササイズです。ポイントは、呼吸を止めずに行うことと、肋骨の下が閉じるような感覚を伴うこと。
ドローインの基本的なやり方(初級)
- 仰向けになり、膝を立ててリラックス
- 鼻から息を吸い、お腹を膨らませる
- ゆっくりと息を吐きながら、おへそを背中に引き寄せるようにお腹をへこませる
- この状態で呼吸を止めずに5~10秒キープ
✔ POINT: 息を吐くときに肋骨が自然に内側に閉じてくる感覚があれば、正しく腹横筋が使えています。
◆ ブレーシングとは?~お腹に圧をかけて張りを作る~
ブレーシングは、お腹全体を膨らませるように息を吸い込み、外から圧をかけて固めるテクニックです。ドローインとは逆に、お腹を「へこませる」のではなく「膨らませたままキープ」することで、重い物を持ち上げたり、瞬間的な力を発揮する場面で体幹を安定させます。
ブレーシングのやり方(初級)
- 立った状態でリラックスし、鼻から息を吸ってお腹を膨らませる
- お腹が風船のように膨らむのを感じたら、そこに力を入れて固める
- この腹圧を10秒キープ(呼吸は止める or 胸式で浅く)
✔ POINT: お腹全体がパンと張り、腹圧が高まる感覚が得られればOKです。
◆ レベル別ステップアップ法(ドローイン・ブレーシング)
レベル | ドローイン | ブレーシング |
初級 | 仰向けでお腹をへこませる (息を吐きながら) | 息を吸ってお腹が自然に膨らむのを感じる |
中級 | へこませたまま呼吸を続けられるようにする | 膨らませたお腹を固めて力を入れる |
上級 | 呼吸・動作中もへこませた状態を維持 | 呼吸しながら腹圧をかけ続ける (スポーツ・日常動作応用) |
◆ 応用編:融合型ドローイン×ブレーシングとは?
実は、ドローインとブレーシングは完全に別物ではなく、「融合」することが可能です。
具体的には、
- ドローインのように腹筋を収縮したまま
- ブレーシングのように腹圧を高め
- それを維持しながら呼吸する
この高度な体幹コントロールができると、**「締める力」「張る力」「動ける力」**がすべて同時に使えるようになります。
融合型を使うとこんな効果が!
- 歩行中や走行中もブレない
- ピラティスや武道、ダンスでのコア安定
- 重い荷物を持っても腰に負担がかからない
- スポーツ中の軸のブレが減り、パフォーマンス向上
✔ 注意点: 難易度は高く、慣れないうちは呼吸が浅くなったり、腹筋が抜けてしまうこともあるため、段階的な習得が大切です。ピラティスやヨガでも、この融合型の呼吸を“最終目標”とすることがあります。
◆ まとめ:ドローインもブレーシングも、どちらも“正しい体の使い方”の鍵
ドローインは“締める”、ブレーシングは“張る”、融合型は“締めながら張って動ける”。
この3つの体幹操作を理解し、状況によって使い分けることで、姿勢改善・腰痛予防・スポーツパフォーマンス向上すべてに効果を発揮します。
まずはここから始めよう!
- 姿勢を良くしたい → ドローイン初級から
- 筋トレやスポーツがメイン → ブレーシング練習から
- 動きの中でコアを意識したい → 融合型にチャレンジ!
さらにプランクのような「全身をつなげて支える感覚」を加えることで、静的でも動的でも“良い姿勢を保ちながら過ごせる”感覚が得られます。お腹周りだけでもこんなに意識できることがあるので、ぜひ一度、ご自身のお腹の感覚に集中して、ドローイン・ブレーシング・融合型の違いを感じながら試してみてください。きっと、これまでの姿勢や体の使い方が変わってくるはずです!