テニスやゴルフなどのスポーツを楽しんでいる方にとって、「肘の痛み」はよくある悩みのひとつです。
ラケットやクラブを振ったとき、あるいは荷物を持ったり手首を動かしたときなど、何気ない動作で肘が痛むとストレスにもなりますよね。
ですが、その痛み――本当に「肘だけ」が原因でしょうか?
実は、テニス肘・ゴルフ肘と呼ばれる症状の多くは、身体全体の使い方のクセや連動性の低下から生じているケースがとても多いのです。
肘だけに負担が集中している状態は“異常”
テニスやゴルフのスイング動作を考えてみてください。
実際には、ラケットやクラブを握る手だけでなく、
- 手首
- 肘
- 肩
- 肩甲骨
- 体幹(背中・腹筋)
- 股関節・足
これらすべてが連動して動いていますよね。
にもかかわらず、「肘だけが痛い」という状況が続いているのであれば、
本来使うべき他の部位がうまく働いていない状態が考えられます。
肘に負担をかける原因とは?
実際に、当院で見られるケースとしては以下のような状態がよく見られます:
- 手首や肩の柔軟性が低下している
- 肩甲骨の動きが悪い(巻き肩・猫背)
- 体幹のねじれ(回旋)動作が使えていない
- 股関節の硬さから「手打ち」になってしまう
これらが複合的に重なることで、動作の負担がすべて肘に集中しやすくなってしまうのです。
そもそもの原因はどこにあるの?
さらに深掘りしていくと、その原因は次のような要素に分けられます:
- 筋肉や関節周囲の組織が硬い
- 姿勢が崩れて関節バランスが悪くなっている
- 神経の動きが悪く、正確な動作指令が伝わっていない
- 慢性的な血流不足や冷え
とくに注目すべきは、「股関節や肋骨の硬さ」。
ここが硬いと身体の回旋が使えず、結果的に腕だけで打つ“手打ち状態”になり、肘に過剰な負荷がかかります。
ゴルフ・テニス時に気をつけたいフォームのポイント
- スイング時に肘が脇から離れすぎていないか
- 手首のスナップだけで打っていないか
- グリップを強く握りすぎていないか
- 両肘や前腕に過剰な力が入っていないか
- 身体の回旋運動が使えていない(腰が回っていない)
- 肘を守ろうと意識しすぎて逆に固定しすぎていないか
こうしたフォームの乱れが、知らず知らずのうちに肘の痛みを悪化させる原因になります。
改善のためには“身体全体の使い方”を見直そう
肘をマッサージしたり、ストレッチをしたり…
一時的に楽になることはありますが、再発を防ぐためには「身体全体の使い方」から見直すことが必要です。
- 股関節・体幹の可動域アップ
- 肩甲骨や胸郭の動き改善
- スイングの重心移動や姿勢修正
- 日常のクセや姿勢の確認
当院では、整体によるアプローチだけでなく、身体の使い方そのものを変えるための運動指導も合わせて行っています。
一時しのぎで終わらせず、再発しない身体づくりを一緒に目指していきましょう。
まとめ
テニス肘・ゴルフ肘は、肘にだけ目を向けていてはなかなか改善しません。
痛みのある場所だけでなく、「なぜそこに負担が集中してしまうのか?」という視点が大切です。
スポーツを長く楽しむためにも、身体の連動性や柔軟性を取り戻し、
本来のパフォーマンスを発揮できる身体をつくっていきましょう!